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たこ焼き

たこ焼きは、大阪をおいてほかはない。
元をたどれば兵庫県の明石焼き(玉子焼き)だが、それとは似て非なるもので、どちらがホンモノのたこ焼きか?などといいはるものでもなく、いずれも愛されていることに変わりはない。
1930年代半ば、瀬戸内でタコがたくさん獲れていた頃、明石焼きをまねて、タコを入れて焼いたのが始まりとされる。
下町に工場労働者が多かった頃だから、鉄板なんてお手のもの。
またたくまに大阪の庶民に普及したたこ焼きは、ソースを塗った濃い味つけで、祭の屋台を通じて全国に広まった。
そして現在は、ソースたこ焼き、たれをつけないたこ焼き、そして明石焼きと三種類。
不況ということもあるのか、安さと手軽さが受け、たこ焼き市場は、この十年で1,500億円市場にまで成長したのである。
で、たこ焼きの素材といえばタコ。
このタコ、世界の消費量の六割を日本人が食べている。
そのうち世帯当たりのタコの消費は、神戸・奈良・京都・大阪と関西の主な都市が上位を占め、神戸市は東京の約1.5倍ということだ。
しかし、瀬戸内のタコの漁獲量は減っている。
1963年の大寒波により明石のタコ漁は壊滅的大打撃をこうむり、ようやく近年戻ってきたという感じだそうだ。
今では、1965年、西アフリカ沖タコ漁場が開拓されて以来、海外産の冷凍タコが主力となり、日本人の食べる量の七割以上を占めることになった。
店先のたこを見れば、海外産のタコと明石のタコとでは、値段がずいぶんと違うことでもわかる。
もちろん、味も違う。
潮流で鍛えられた明石のタコは、コリコリした硬さによる歯ごたえがうまいと評される。
たこ焼きは、おやつだろうか、それともごはんの代わりだろうか?どちらであってもかまわないのだが、そのあいまいさゆえに、どんなときにでも、ちょいと食べられる自由さがあって、庶民にとってはうれしい食べものなのである。
これからは、日本発のファストフードとして世界に向け、たこ焼きはどんどん進出していくのではないだろうか。
   
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